ナリナリの好きな仁寺洞


きらきら50代だ!!!
by narinya
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飾れる作品に

こちらは30㎝×30㎝の紙にマット紙なしで額に入れたものです。一枚の紙がフレームに入っているだけですが、文字の部分が際立って見えるように余白まで計算しています。余白はゼロではないということの一例でもあります。韓国の時調で二首以上で詠まれたものを連時調といいますが、こちらは二首の連時調は同時期に同じサイズでデザインだけ変えて書いてみました。二首のうち一つ目に関する記事は以前の投稿をご参照ください


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書道で筆を持つとなると、書写を中心とした学習の側面と、言葉や文字を借りて自己表現をする側面と、わかりやすくこの両面があると思います。学問として追求しても学ぶことがあまりにも膨大で時間が足りません。表現と一言でいっても色んな目的、意図、方法があります。個性まで盛り込むとなると哲学がなければ書く人物の魅力は到底盛り込めるはずもなく。ここが書道は総合芸術だとも、書は人なりとも言われる所以なのかなと思います。

こうして生きることや生き方に密接に結びついているものだとすれば、「書道やってます」とか「書道やめます」とか、何かするしないと決めるものでもないとつくづく思うのです。語学が奥深い学問だと思うのも同じ理由で、その両方を生かせるハイブリッドな活動として日本でハングル書道をすることに意味を見出しています。

この正解も終わりもない芸術の中で自分として何ができるかというところを考えることになるわけですが、私個人は書道とデザインと文学(語学)を軸にして視覚的に調和がとれることにポイントを置いています。書く文字や言葉に左右されることなく、とにかくいかに視覚に訴えるか、その訴えが必然か、洗練されているか、生活空間で飾りたいと思えるかどうかです。

それでシンプルな定型詩を選んで書くとしても、飾ることに耐えうる(もう少し言及すると購入したいと思うに耐えうる)作品に再構成して発信することが私がすべきことになってきます。その例としてどんどん書いて見せていくことでしか人に伝える術はないので、それで近頃は指導の時間よりも制作の時間に比重を置くようにしています。



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こちらは書道展に出品した作品なので部屋に飾れるインテリア要素の観点からはサイズオーバー気味ではありますが、見た目を重視した点で参考になると思い載せてみます。同じ詩を扱いながらもレイアウトや演出や、連想される別の詩を別の文字、言語から組み合わせて融合させたり…。

書写の勉強で止まっていたらこういう世界を知ることはありません。せっかく時間とお金をかけて反復練習をするなら、進める人はこういう表現の世界に進むと人生でまた違った景色が見られるはず^ ^ 人に見させてもらう景色ではなく自分で見たい景色を見に行けるように。私自身がそうやって生きていたい♩


# by narinya | 2023-11-30 13:04 | 2023年 作品

金烏

板にテンペラ画、グラフィート技法で制作した作品です。これはもっとシリーズで作るつもりです!篆刻というと石に彫って印泥をつけて紙に押して作品として完成するものですが、必ずしも字を彫って押さないといけないわけではなく。字を彫る分野は刻字というジャンルもありますし、色んな画材に技法を用いても文字や象形や紋様を線の芸術として扱えばそれでいいのです。

で、文字を使うとなかなか飾る作品になりにくい。お勉強の発表にはなるし、時に看板制作などの実用にはなるけれど、素敵!部屋に飾りたい!誰かにプレゼントしたい!という水準になかなかもっていきにくいのではないかな。

そこでこのような提案をしてみたわけです。テンペラ画の技法で篆刻してる人はきっとそう多くはあるまい。ふふふふふ。


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大きさはフレーム内の作品部分が片手のひらに乗るくらいです。立体的な作品なので、作品の周囲に余裕を持たせてあります。




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フレーム内も自分で仕立てました。内側側面も背板と同じ柄で作りました。



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金烏に大吉という文字が隠れています。これは金烏の周囲に手を加える前。




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今回はそれぞれカラーは変えましたが、ベタ塗りをして印の部分がキッパリと浮き出るような構想で進めました。



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金箔を貼って瑪瑙棒で磨きこみ……



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金箔を貼る前の様子です。

ここをスタートに、この工程をもっとバージョンアップさせて複雑な作品も作れそう!やるぞー。


# by narinya | 2023-11-29 20:06 | 2023年 作品

秋の関西〜紀州〜尾張 美術鑑賞と会いたいを実現する旅

都内での美術鑑賞二日間を終えて、なんと翌週にもお出かけが決まりました。まず、友人の中野葉子さんが新しく本を出版されて交流会が開かれると聞きつけて行こう!と思い立ちプラン開始。交流会は兵庫…、ということはまず京都に入って…、交流会に参加した後にあそこに行って…、そして帰宅前にあそこに行って…。プランが徐々に壮大になりましたが実現できまして、ずっと会いたかった白と黒のあの方々にも会えて感無量!


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留守中に乾燥させておくべき作業をちまちましてからの出発で、京都に着いたのは午後遅めの時間でした。でも、丸一日半を京都で過ごせるし、ちょっと長丁場なプランにしたので初めから飛ばしてはいけないと思ってノンビリな京都入りでちょうどよかったです。

翌日はゆっくり出発して街を散策しながらお目当てだった細見美術館へ!開館25周年記念展です。京都の街は観光客もすごく多いのですが、こういう私設美術館はまだ観光客の流れがないのか?貸切のような状態でした。観やすくてよかったけれど少しさびしいような…。今回の企画展の図録は作らなかったということで残念でしたが、ミュージアムショップで以前の展覧会の図録でいい資料になるものを購入できたのでよかったです。

そして展覧会あるあるですが、次回企画展予告とか、他の美術館での展覧会チラシとか、そういう宣伝をたくさん見てしまうとまた行きたいところが芋づる式に増えて困ります。次の細見美術館の企画展は屏風の展覧会ですって。うーん、行きたい。




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京都ではこちらの展覧会も観にいきました!とってもよかったです!自然の中で人間も脈々と種を繋いできた動物なのよね…と思うと同時に、信仰の力によって心を保つ必要がいつの世もどこに住む人にもあるのだということ…。そして生きる環境が過酷であればあるほど生活と信仰が一体化することも。けれど、みちのくの仏さまたちは優しさを忘れはしないと。それはみちのくという地が過酷な中でももっと過酷な自然の厳しさを知っているから、だから優しくなれるのだと…。



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この展覧会は、この後には東京ステーションギャラリーに巡回するようです。東京でも観られるのになぜ京都で観たのか?笑 その分、京都でしか観られない他の展示を観るべきだったのでは?という声も聞こえてきそうですが。そこはやはり、この西本願寺の隣で観るのがいいのですよ^ ^ そして京都で観覧できて心から満足しました!




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京都の街ではこんなせせらぎが美しい通りがありました。風になびく柳の葉がそよそよとして、水が流れる音にキラキラ光る水面。



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9月の展示会に出品したこちらの作品と重なります。




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さて、今回の旅の目的、旅程の真ん中に据えたこちら。著者のご自宅で文字通りアットホームな交流会の様子です。語学のエキスパート中野さんは、日本語教育と中国語教育のプロです。そこにご家族の仕事の関係で数年間、韓国に居住したことを機に韓国語もマスター。

語学堂での授業のほか生活しながら中野さんご自身のライフスタイルに合わせた韓国語学習を展開したそうです。まさに生きた韓国語を身につけられたということですね。その過程で発見したさまざまなことを整理して本を執筆活動をされています。3部作になっていて、第一弾は発音・文法編、新刊は語彙編、現在執筆中のシリーズ最終は文字編だそうです。

この中国、朝鮮、日本という3カ国は密接に関連しあっているとお話してくださいました。まさに私がずっと感じている、書道をするなら少なくともこの三カ国の文字は基本だけでも勉強をするべきだろうな…という事に通じます。

よく韓国にも書道があるのですか?!とか、ハングルは筆では書けないでしょう?とか、未だにそのような印象を拭えずにいます。これだけ韓流がもはや流行りではなくなったのにです。文字も言葉も芸術も信仰も、この三カ国は兄弟のようなもので一つでも欠けるとバランスを崩すと思っています。

ですが、なかなかこの壁は厚く…。私のところにもハングル書道をやりたいけれど漢字は書きたくないとか、中国には興味ないけれど韓国は好き!知りたい!とか。いえ、何を好きでも好きでなくてももちろん自由だし尊重しますが、この3カ国の文化的なことで選り好みをしていると、伸びないし学習に支障が出ます。うわべだけ勉強するならいいですが、教育的かどうかという観点から指導するなら受け入れることは困難だと言わざるを得ないのです。



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今回おなじ日に参加した方は美容がご専門でいらっしゃるキラキラ綺麗な方でした!お話をしてもとっても魅力的!本質を見極める人たちとの会話は、ジャンルの垣根を超えて得るものがあるし何より楽しい!いい方との出会いの場にもなりとても有意義なお時間をいただきました。中野さん、また会いにいきますね〜。


兵庫から大阪を一瞬で通過し次なる目的地へGO。

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憧れていたパンダ列車のくろしお号!ホームで動画撮るとか実は私は結構乗り物好きなんです。列車に乗って人間が移動できることに感動を覚えるタイプ^ ^ 今回は、兵庫での交流会を後にして和歌山駅までゴロゴロと進みました。翌日は目的地までまたくろしおに乗ってあそこへ…。



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オープン時間に合わせて和歌山駅から白浜駅まで進んで、パンダラッピングのバスに乗って念願だったアドベンチャーワールドに行けました!!!アドベンチャーワールドには浜家のパンダさんたちが暮らしています。

今年浜家のお父さんパンダと双子の姉妹パンダの3頭が中国に返還されたので、白浜での数は一気に少なくなりました。返還の前にアドベンチャーワールドに行かなかったことが悔やまれますが、考えようによっては中国の成都で暮らす彼らに会いに行く旅のチャンスをもらったと思えば、それもまた楽しみが増えたともいえます。午後まで一人でパーク内を満喫して、この日は白浜駅から名古屋まで進みました。


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名古屋で一泊して翌朝はお目当ての額縁屋さんのセールに参戦。整理券まで出るくらいその界隈では人気みたいです。ちょうどこの旅とセールの日が合ったので思い切って行ってみました。小さな額ですが気に入ったものたくさん買えました。ここに入れる作品を作るのが次の課題です。わくわく。




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額縁屋さんのセールだけ寄ってさっさと帰らないと翌日は部屋でお稽古日だし…と思っていたのに。額縁屋さんに貼られたこちらのポスターを見てしまいまして。先日、三越の食堂で見た雑誌表紙の数々の記憶がまだ新しく、ならば行くしかない!と思って額縁は自宅に送っていそいそとヤマザキマザック美術館へ!

近代化する日本がデザインで見ることができて何とわかりやすいこと。その当時の社会の常識などもデザインから垣間見えます。グラフィックデザイン、グラフィックデザイナーという分野が職種として確立された変遷を見ることができます。

またデザインそのものが素晴らしい。美大受験でたくさん練習した幾何学構成はやっぱり大事なんだな〜。色と形の重さとかバランスとか抜け感とか、絵画を専攻するにしても書家になるとしても、工芸をするにしても、この幾何学構成や平面構成といわれるグラフィックデザインの基礎は欠かせない改めて思いました。

こういうバランス感覚って、結局のところ時間配分をしながら目的を達成する学習の場面にも関係するし、段取りをつけて何を優先的に行うかとか、自分を客観的に見て軌道修正するスキル、作文能力や家の整理整頓にいたるまで、現代人には特に絶対いい影響があると思います。

成人向けに書道を教えたりしていて、こういう訓練がされていないことの弊害のようなものを感じることも多々あって…。まさに日本の学校教育で抜け落ちた部分じゃないかなと常に疑問〜。お稽古という形をとりながら書道や美術の教育を通じて伝えたいと思って取り組んできました。ちょっと括りが大きすぎて伝わりにくいけれど、デザインをベースに書道のお稽古を展開するのはやり甲斐があります。

デザインが人間の尊厳に大きく関わる概念だということ、もっと身近な不可欠なものとして一般に広がるといいなぁ。デザインは決して商品の飾りや特徴を持たせるための付加されたものではないということが伝わる日がきますように。



# by narinya | 2023-11-28 12:05 | お出かけ・研鑽の時間

都内、秋の美術鑑賞二日間

2023年、年明けから起き始めた家族のあれこれ、10月末にひとつの節目というか何となく一段落ついた感じです。今後しばらくは動向を見守って対応していくことになりそうです。家族の老いは誰にもやってくることだし、同時に私自身も老いに向かっているわけだから、こういうことを通して考えを巡らしながら自分の人生が進んでいくのだなぁと思いました。若い頃に親を見送った時とは全く違いますね。そして、子供の時にはよくわからなかったけれど、ぼーっと過ごしてたらすぐに後悔だけが残ったおばあちゃんになっちゃうということ。うかうかしていられない!

ということで^ ^ 気になる大手の展覧会とSNSなどで見かける私好みのアーティストの個展などなど、思い切って二日間にわたってハシゴしてきました。昨年夏にお泊まりしながら観たい展覧会をギュギュッと詰め込むということをして以来、ちょっと味をしめております。

全て家からすぐに行ける所なのですが、だからといって行きたいものに全て行けるものでもなく。理由は、家を拠点に行ったり来たりしていると気力体力の面で萎えるからなのですが、一泊すると気持ちも体力も持続することがわかりました。東京でプチ旅行しているみたいで楽しいです。都内を旅行する経験なんて無かったから新鮮!生まれ育ったところでも旅ってできるんですね^ ^



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上野の国立科学博物館で開催の「特別展 やまと絵ー受け継がれる王朝の美」展に行きました。やまと絵というテーマで集められた各分野のお宝が並んでいて見ごたえ抜群でした。仮名の古筆や装飾経、鳥獣戯画、曼荼羅、源氏物語絵巻、蒔絵…。すごく多岐にわたっていろんなものを一度に観ることができる稀有なラインナップで構成されていたと思います。

これは観覧料金が安すぎると思うほどでした。ただ、会期中の展示替えがあるので図録で見てこれは実物が観たかったと思うものもありましたが、それを観ることができる期間に行けば観られずじまいのものもまた出てくるわけで…。とはいっても佐竹本三六歌仙絵は観たかった(泣) 要するにこういったものには会期中に2回行かないといけないんだな〜。




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翌日はオープン時間に合わせて丸の内の静嘉堂美術館へ。焼き物の技法別に展示や解説があってとても興味深く観ることができました。音声ガイドも借りてみたのですが、やはりせっかくなら音声もあるとより楽しく分かりやすいですね。

12ヶ月の歌を茶器に書いて焼いて風雅を愉しむなんて素敵すぎる。花調節という説明がありましたが、調べてもあまりよくわからないのですが…。私オリジナルの花調節もどきとか作ってみようかな〜。来年はお折帖の展示会をする予定なので、何か一連のシリーズになるもので作品になりそうなテーマを探しているところなのです。ちょっと関連付けてしてみようかな…。

アイデアが出るのも展覧会でいいものを観るからですよね。こういう時間が持てない生活には絶対に戻りたくないので、忙しすぎたり他人のことにばかり気がいったりしないようにしなくちゃです。





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焼き物つながりでこちらの美術館にも初めて行ってみました。凹凸文様がテーマで企画されていて、靜嘉堂美術館での展示を観た後だったので理解ができたことも多く、何か一つだけ観るのではなくて複数並べて観ることの意義を一日で体感したのでした。美術館自体がもう芸術でした。神泉のあたりは本当に憧れます。来世で是非とも住める人生だといいな〜。




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SNSを見ていると流れてくるいろんなアーティストの作品や活動。自分が頑張らないといけないのに他人のものを観ている暇があるのか?と思ってあまり足を運ばない時期もありましたが、それはやはり違うなと思って最近はアンテナに引っかかったものは厳選して観ることにしています。どなたも妥協することなく作品に向き合っていて素晴らしいです。

私は30代、40代を他人を教育することに時間体力を費やしてきたので、ずいぶん自分のことが疎かになったことは否定できません。何足のわらじでも履けるほどの才能もないから仕方ないけれど、するべき仕事を全うして結果を出す人達の姿に学ぶことは多いし励みになります。そして私にしかできないこともある!と再確認できる機会ともいえます。これからもいい活動をする作家さんたちの展示会は観て学んでいけたらと思います。




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こちらは桐箱屋さんですが、こちらの店舗内で装飾小箱を展示販売する催しがあり行ってみました。私も木製の箱に装飾を施して作品を中にいれて販売できたら…と思っていたので、桐箱も欲しかったこともあって伺ってみました。作家さんもいらしてお話しをたくさん聞くことができました。本来は額の制作や修復を専門にされる方ですが、その額制作と同じ古典技法を用いて小箱を作り始めたとおっしゃっていました。来年の私の誕生日頃に納品していただけるようにイニシャルMで小さな箱をオーダーしちゃった!届くのが楽しみです。




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こちらは来年に開催予定の折帖展に使用しようかと思って試しに購入してみた桐箱です。手前の小さなものは豆本サイズで折帖を作って入れてもいいし、箱だけで作品にしてもいいし、いったん石膏を全面に塗るところまでしてみました。



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自分で折帖を仕立てることもできるけれど、こういった既製品で前後の表紙部分だけを加工することもいいと思って試作のために購入。このタイプのほかに紙をつなぎ合わせてオリジナルで作るものも準備して、表現や用途に合わせて使いわけようと思います。

こういう折帖や巻子、手鑑、屏風や掛け軸などの古来からある形態の魅力を生かした作品づくりも追求したいことのうちの一つです。鑑賞作品というよりは調度品とか記録、実用の側面も持つ形なので、そこは生活の中で受け入れられるはずだとも…。そのくらいしか筆文字を書く場面もないですしね。模索は続きそうですが何となく手応えありそうな予感はします。がんばろう!




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もう一箇所、日本橋のギャラリーでテンペラ画の展示会も観ました。こちらも素晴らしい作品が並んでいました。長年、真摯に取り組んで生み出された作品たちがキラキラしていました。秋の濃密な二日間を楽しんでエネルギーチャージもできてよかったです。この次の週には関西から東海の旅もしてきました。その投稿はまた後日〜。



# by narinya | 2023-11-27 23:59 | お出かけ

5年ぶりに韓国行ってきました

少し前のことですが10月には5年ぶりに韓国に行くことができました。コロナ禍になる前の年に今後の活動を先生にご相談したところ、きちんと書道の勉強の発表ができる場になるだろうという配慮から、先生が長く携わっている書道展にその翌年から出したらどうかと提案してくださいました。

ところが、いざ参加しようと準備をしていた2019年にコロナ禍に突入。その後、書道展自体が中止されたり延期されたりして数年が経ちました。そして昨年の秋、書道展は再開はしたものの日本からの参加は作品を送るだけにとどまり…。そして今回、満を持して出品と訪韓の両方ができました。

私の知り合いで書画ができる作家さん達を誘って出品しなさいとお誘いされていますが、昨年も今年も私の書道のお弟子さん達に限定して一緒に参加しています。お弟子さん達にとっては稽古で学んだことの成果を、私にとっては指導の成果を、それぞれがその時までに成長した姿を真摯に盛り込む機会になるように…。作品作りは学習と一体となったものであって、決して見栄えがするイベントごとではないのだと捉えられるように…。


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開幕式の日に合わせて展示会場がある瑞山市へ!ソウルから高速バスで2時間ほどです。ある方からいただいたとても貴重なスカートを着ていざ^ ^ 写真は、長年教えてくださっているお師匠さまと、瑞心書道会会長先生です。


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お師匠さまは、5年ぶりにお目にかかっても全く変わらないお元気そうなお姿でした。常に健康維持としてマラソンをされているそうです。なかなか自身を律することができない私には本当に見本になる姿勢をいつも見せてくださり感謝しかありません。



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昨年に続いて「洛城飛龍」の臨書を全紙に。前回よりも行数が増えたので文字数も増えました。先生に色々と助けていただき書き上げることができました。臨書をしていて何になるの…と思うなかれ。とにかく嫌でもリズムが血肉に染み付きます。実力をつけるためには通るべき当たり前の道なのだと体で実感できます。

臨書に模写に模刻…。とにかく徹底的に模倣しようとする精神が自分を高めて、いずれ自ずとオリジナリティに繋がるのですよね。私は機械やAIにできることは任せたらいいと考える派ですが、依然として生身の人間にとって必要で捨てるべきではないことは必ずあるとも信じています。

いつか機械に取って代わられるだろうになぜ熱心にするのか、時代遅れと言われても、それは結果物の表面しか見ない人の目にはそう見えているのだから如何ともしがたい。でもそれがいつか武器となって返ってくるはずだと知ってそこに価値を見出す世界も存在するならば、一秒でも早く取り組んで後々の自分の武器にしたい〜。

機械ではなく人間がする過程に意味があることが世の中にはまだまだたくさんあります。人間にしかできないことと機械に任せることがはっきり棲み分けされる時代が来たと思えば、人間であることの価値が、より一層問われる時代になったのだということに。恐ろしいといえばそうだけど、益々やる気が出るといえば出る^ ^ 結果ではなく過程にこそ人間がする意味があるという価値観で考えると、書道の臨書なんてその最たるもの。




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臨書以外で創作作品も一点出しました。交流展という副題をわざわざつけて誘ってくださる先生のご配慮に応えるにはどうしたらいいか。私なりに常に考えて実行しています。お弟子さん達に対しても、参加しているのではなくて招待されていることの意図をよく考えて振る舞うべきだというお話をちょこちょことします。

こういうことは感覚として養う部分であって、決してトップダウンで指示するようなことではなく。そういう感覚的な事を共有できる人と出会えるのは人生で一人か二人なのかもしれませんね。そことの折り合いのつけ方が、人びとと一緒にしていて私が一番難しさとして感じるところです。端的に人と自分は違うという事なのでしょうけど、今回の人生は色んな人と触れ合う機会があっていい勉強たくさんできてます。




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展示会場は文化会館の大きなギャラリーの方ではなく、文化院の展示室でした。作品数に合っていていい雰囲気でした。色々と書道界全体が日本に限らず韓国も難しい局面なのだとも思います。出品数がこの先爆発的に増えることはなかなかないのではないかとも思うし。



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先生の熱心なお弟子さんが仲良くしてくれました。同じ関心事がある人と出会えて楽しかったです。



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先生の出品作品三点。



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お弟子さんたちの中から有志で渡韓した方々と現地で待ち合わせて展示会場まで行きました。歓迎されてとても有り難く思うと同時に、してもらうばかりでいいのかな…という思いも大きくなりますね。

ただ同じような形でご招待する事も、上記の話と関係してきますが同じ温度で行動にまで移すことを自分以外の人に期待することほどエネルギーを使うことはないのも現実。ご恩返しは出来ないパターンも含めて状況を見るほかないですね…。



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お食事にも連れて行っていただきました!


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先生と一緒に新聞取材を受けるの巻。



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デジタルでも見ることができます。


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お弟子さん達と一緒に先生の事務所兼アトリエへ。以前はもっと大きな空間で子供達も対象に書道教室の運営もされていた先生ですが、少し前からは小さな空間に場所を移してされています。そうやって縮小しながらも自分がすべき事を精査していく姿を見せてくださる事も勉強になります。




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最後、少し観光なも連れて行ってくださいました!途中でおやつも買っていただいたり、お夕食もご一緒させていただき、その後の美味しいカフェ時間まで…。バスのチケットも手配してくださって至れり尽くせりでした。まずは与える側になること、そういう事を教えてくださる方の存在は財産ですね。私もそういう気待ちでいる為にも自己犠牲にならないよう物事をよく見極めていかないと。



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お土産に持たせてくださった先生の扇子作品を部屋に飾りました。



# by narinya | 2023-11-18 12:15 | 2023年 作品


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